本紹介!『めねぎのうえんのガ・ガ・ガーン!』作・絵:多屋 光孫

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はじめに

どうも。仕事のことは考えたくない、右京です。

なんやかんや言っても僕、大学3年生なんです。

ということはね、就活のことを真面目に考えなきゃいけない時期というわけでして…。

いや、やっぱやめましょう!大事なのは今!目の前にある本のことだけ考えてたらいいんです!

皆さんは誰もが働けるような仕事ってあると思いますか?

そんなのあるわけないって思いますよね?

でも実は、そんな「誰もが働きやすい仕事」を本気で実行している会社があるんです!

今回はそんな会社を参考にした実話絵本、『めねぎのうえんのガ・ガ・ガーン!』を紹介します。

働きづらさを抱える人は、一体どうすれば仕事ができるようになるのか…

この絵本は、そんな「障がい」という働きづらさを抱えた人たちが、仕事ができるようになるまでを描いてます。

ぜひお楽しみあれ。

ストーリー

めねぎのうえんって何?

実はこの絵本、完全な実話なんです。

この絵本に出てくる「めねぎのうえん」とは、静岡県浜松市にある『京丸園』さんのことなんです!

『京丸園』さんの歴史は古く、なんと400年も続いている、歴史ある農家さんです。

とくに有名な商品は、『芽ネギ』!芽が出たばかりのネギをそう呼ぶそうです。

スーパーでよく見るようなネギと比べとても細く、柔らかい点が特徴だとか。

こちらが芽ネギ。確かに長さや細さが全く違います。
スーパーでよく見る長ネギ。ちなみに白い部分は「根深ねぎ」、緑は「葉ねぎ」というそうですよ。

ネギのさわやかな香りと辛みが人気で、パスタや丼ぶりにピッタリらしいです。

そんな魅力あふれる『芽ネギ』の中でも、特に人気なものが『京丸園』さんの『姫ネギ』です!

その人気は凄まじく、2011年にはしずおか食コレクションに認定されるほど。

おいしさは静岡県のお墨付きというわけですね!

あらすじ

さて、本の方に戻りましょうか。

そんな「めねぎのうえん」を営む13代目社長、鈴木 厚志(すずきあつし)さんのもとに、支援学校で働くやまだ先生と二人の生徒、あかさんとあおさんがやって来ます。

二人は特別支援学校に通う生徒で、障がいがある人たちでした。

やまだ先生は、そんな二人をめねぎのうえんで働かせてくれないかと頼みに来たのでした。

鈴木さんは戸惑います。

仕事のガ・ガ・ガーン!

鈴木さんは障がいを持つ人と一緒に働いたことがありませんでした。

そのため鈴木さんは、最初は二人を雇うことを断ります。

『めねぎのうえんで働くためには、難しい作業をこなす必要がある、二人にはそれができないから無理だ』と。

その難しい作業とは、芽ネギを立たせる作業のことでした。芽ネギが生えているスポンジを、芽ネギに触れずに、下のトレーに入れ込むというものです。

この作業はとても難しく、二人には到底できないと考えたのです。

しかしやまだ先生は、下敷きをトレーの間に挟み込んで持ち上げれば、だれでも簡単にできると教えてくれたのです。

鈴木さんはガーン!と驚きます。

今まで難しい作業と思っていたのに、少しの工夫で簡単になったのです。

伝え方のガ・ガ・ガーン!

ひとまず二人に働いてもらうことにした鈴木さん。まずはあかさんに『トレーをちゃんと洗っておいて』と頼みます。

ところが、なんとあかさんは一時間かけて一個のトレーを洗っていたのです。

こんあ状態では、あかさんに仕事は無理だと先生に伝えると、先生から衝撃の一言が飛び出します。

『ちゃんとなんていわれても分かりませんよ、もっと具体的に伝えなきゃ

そこで指示を変えます。『トレーの上を3回、反対側を3回洗って水に流して』と変えると…

なんと、あっという間にトレーがきれいになっていくのでした。

鈴木さんはガ・ガーン!と気づきます。あかさんができないんじゃない、言い方がダメだったのだと!

スピードのガ・ガ・ガーン!

次にあおさんには芽ネギハウスの掃除・草取りをやってもらったのですが…

二歩歩いて立ち止まり、掃除をするの繰り返し。あまりにもゆっくりすぎなのです。

これじゃいつまでたっても終わらない…鈴木さんはまたもや困ってしまいます。

ところが、ゆっくり丁寧にやったおかげで芽ネギハウスはピカピカ!

草が一本もなくなったおかげか、虫も出なくなったのです!

あおさんのゆっくりはすごい!またもや鈴木さんはガ・ガ・ガーン!と衝撃をうけるのでした。

仕事を人に合わせよう!

伝え方を変えれば、仕事ができるようになったあかさん。

仕事はゆっくりでも、その分大きな成果を出してくれたあおさん。

最初は、障がいがある二人は働けないと思っていた鈴木さんは、二人の仕事ぶりを見て、考えを変えます。

今までは「人」を「仕事」に合わせるようにしていた。でも「仕事」を「人」に合わせるようにすれば、どんな人でも働けるんじゃないだろうか?

早速鈴木さんは「仕事」を変え始めます。

あかさんには自動でトレーを洗い、何枚か洗ったかもわかるマシーン。

あおさんにはゆっくり動かしながら虫を駆除するマシーンを作りました。

二人の仕事はどんどん上達していきました。

それだけではありません。二人が働くようになったことで、めねぎのうえんの仕事もどんどん変わっていきました。

もっといい工夫ができないか、みんなで考えるようになったのです。

そのおかげで、めねぎのうえんは大繁盛。今では100人もの人が働くようになり、その中には障がいを持つ方も多くいます。

めねぎのうえんは、働くすべての人が仕事をしながら、幸せをつかむことが目標のユニバーサル農園へと生まれ変わったのでした。

おわりに

いかがでしたか?今回は『めねぎのうえんのガ・ガ・ガーン!』作・絵:多屋 光孫(たやみつひろ)を紹介しました。

「人」を「仕事」に合わせるのではなく、「仕事」を「人」に合わせて変えていく…

素晴らしい発想だと思います。

最初から働ける人材ばかりを求める今の時代、この考えが多くの人の働き方を変えてくれるのではないでしょうか!

そんな新しい考えを、障がい者雇用という問題と関連付けたこの絵本。

子供だけでなく、今働く大人や、就職を考えている人など、すべての人に読んでほしい一冊です!

それでは今日はこの辺で。ではまた。

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